毎年5月5日は我が家では柏餅を近くの和菓子屋で買ってきて、抹茶で食べている。
いつもなら東京の大学時代の友人も遊びに来ていて、このささやかな行事に参加しているのだが、昨年から新型コロナの影響で友人は遊びに来なくなった。そこで今年はステェイホームを実践するため、1から柏餅を作ってみることにした。
私の子供の頃は亡くなった祖母と母がそれぞれ違う方法で作ってくれた。
祖母の作り方は上新粉を水で練ったものに餡を入れ柏の葉で巻いたものを直接蒸していた。母のものは水で練った上新粉を一度蒸して、蒸し餅になったもので餡を包み、軽く蒸した柏の葉を最後に巻いて作っていた。
どちらも美味しいのだが、私は祖母のものが素朴で好きだった。
柏餅は18世紀の中頃江戸で作り始めたと言われている。
カシワの葉は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、子孫繁栄の縁起を担いだものらしいが、個人的には 葉の形状や独特の香り、柏の葉っぱに含まれるオイゲノール(クローブやローリエに多く含まれる)によるという抗菌作用も一因だと思っている。
今回は母の作っていた方法で作って見たいと思って準備をしてみた。
上新粉、白玉粉、砂糖を混ぜたものをお湯でこね、お団子にしたものを15分程蒸して、出来上がったものを氷水につけ、水を切ったものをまた練り上げて、分割し、平たく伸ばしたものに餡を包み、柏の葉をまいたら出来上がり。
餡は春の彼岸に牡丹餅用に作った餡を冷凍保存して残しておいたものを使い、草餅用のヨモギは先日、屋上菜園を掃除した際、日陰に生えていたものを採取し茹でておいたものを使用した。
私は子供のころ手伝いをしたことがあるが主に作る妻は全くの初挑戦。
白と草で合計20個あまり、私も手伝ったが出来上がったのは昼過ぎだった。
亡くなった父母の遺影にもしっかり供えさせてもらった。
1個だけ味見をしてみた。
思ったより甘さ控えめで美味しい!
ちょっと洗練され過ぎている(おふくろの柏餅はもっと素朴だった気がする)が
夕飯の後にゆっくり食べるのが楽しみだ。
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