
前回、東京の高台部分に計画されている東京外かく環状道路についての問題点について触れたが、 低湿地帯だった場所では東京都による地下水のくみ上げ規制の成果なのか、もともと地下水が豊富な関東平野だから、なんとか現在は地下水が回復している。
とはいえ、地下部分をこのまま人間の自由に使っていると大変な事になってしまう。 墨田区などの地下水位は1965年当時に比べて50メートルも上昇しているらしいし。
JR東京駅では地下水による浮き上がりを抑えるために、70本の錨(いかり)を地中に打ち込んだ。 JRの駅の中で、地下一番深い駅と言われているのは京葉線の東京駅で-29.19m。
しかし地下鉄はもっと深く、大江戸線:六本木駅 -42.3m、大江戸線:東中野駅 -38.8m、千代田線:国会議事堂前駅 -37.9m、南北線:後楽園駅 -37.5m等30mを超える深さのものは両手でも終わらない。
40年前、はるか下を流れていた地下水は現在地下15メートルにまで上がっているので、これらの駅は現実的には水没している。 東京メトロによると、トンネルから漏れ出す地下水は年間240万トン。 JR東日本では東京~錦糸町駅間のトンネルから漏れ出す地下水が170万トンあるといわれ、地下では「水の都東京」の姿があるらしい。
ますますの都市化の進展に伴い、
屋根、地表面の舗装化による不浸透面積の増大。
排水系統の整備などにより、雨水の流出時間の短縮による洪水被害。
海抜の高い地域では、相変わらず止まらない地下水の減少。
地下水位の回復した地域でも、雨水の浸透量は、今も減少し続けている。
洪水時の流出抑制については、インフラツーリズム等で良く聞かれる首都圏外郭放水路がある。
これは埼玉県春日部市に地下50mの深さにある巨大な地下空間で、全長約6.3km直径10mというトンネルを通して雨で増水した中川や倉松川の水を江戸川へ流水量を調整しながら排水するという施設で、調圧水槽という設備は長さ177m×幅78mという広大な地下空間を形成している。このような施設は日本各地の大都市で今計画が進んでいるが、本当は河川の流量確保、地下水の保全など、水循環改善のための都市の涵養域(かんよういき:水田、畑地、草地、林地、水域など、地下水を染み込ませ蓄えておける場所)が必要とされている事は事実である。
と言っても
いきなり大都市の真ん中に水田や林は持ってはこれまい・・・・・
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